Dreams Universe(アーリーアクセス版)

レビュー

 アーリーアクセス版のレビューです。(本作は以下、Dreamsと記載)

 製品版レビューはコチラ

 Dreamsは 『リトルビッグプラネット』から派生した、PS4でゲームを制作できるゲームです。ゲームを作るにはキャラクターや木々や建物や音楽なんかが必要不可欠ですが、それら「すべて」をDreamsで作れてしまいます。
 ゲームを作る気はないけど、3Dモデルに興味があるとか、音楽には自信がある、というクリエイターにもさわってほしいツールです。
 Dreamsはモーションコントローラ(以下Moveコン)に対応していますが、筆者はとりあえず通常のゲームパッドで操作しています。

公式: https://www.jp.playstation.com/games/dreams-universe/

■良い点

  • プログラミングなしでアクション性の高いゲームを作れる。
  • 作るのが楽しい。
  • 3Dモデリングができる。
  • 作曲できる。
  • 絵を描ける。
  • ゲーム以外の作品も共有できる(3Dモデル/音楽/イラスト/アニメーション/ゲーム機能など)
  • バージョンごとに保存できる
  • チームでの作業が考慮されている(リーダーの作品にメンバーが手を加えられる。最後にその修正をリーダーが承認する流れ)
  • ワークショップ(チュートリアル)がていねいで分かりやすい。一通りやれば大体できることが分かる。今後高レベルのワークショップも追加していく予定とのこと。なお、ごく一部のワークショップだけ英語+字幕だった。ほとんどはちゃんと日本語でレクチャーしてくれる。
  • 価格が安い。
  • ゲームを公開する時、他ユーザによる「リメイク」を許可できる。リメイクが許可されている作品を見て、作り方を勉強できる。
  • 誰かの作品をゲームに組み込むと、自動的に著作表示が作られる。
  • WIP(制作途中)の状態で公開できる。フィードバックや励ましをもらいながら作れる。

■悪い点

  • ゲーム制作画面の操作性。やっていて疲れる。
  • アーリーアクセスのフィードバックサイト、ユーザ作品のゲーム説明、ゲームに寄せられるコメント……これらが英語。
    (別に日本語でゲームを作っていいし日本語でコメントをしてもいいが、やりにくい)
  • Moveコン×2が必須なように見えて、実際は不要。私見だが、Moveコンの出番はスカルプトモード(3Dモデル制作)だけだと思う。他のモードではパッドの方が作業しやすい。

■感想

  • ゲームだけでなくグラフィックも音楽も作れるすごいツール。
  • ゲーム制作ツールだけの観点でみれば、疲れる、作りにくい部分はあるものの、楽しさが勝って続けられる。作りたいゲームが大規模だとか、効率を追求したい場合にはあまりおすすめできない。
  • 単なるツールでなく、コミュニティになり得る。音楽もグラフィックも、それぞれの得意分野の作品を持ち寄れるのは魅力的。
  • 現状、制作物はDreams内だけでやりとりされる。そのため「作ったゲームをたくさんの人にプレイしてほしい」というニーズにはマッチしにくい。
    Dreamsを持っていない人もコンテンツを遊べる無料アプリが出れば、活気づく可能性は高い。
  • コメントのやりとりを見ていると、英語ができたら良かったなあとつくづく思う。ちなみにゲームを作る際に使うテキスト表示機能には、日本語のフォントが数種類用意されている。フォントが用意されているということは、日本語のゲームを作っても問題ないということだ。英語のコメントをいただく可能性は高いが。
  • これを機に英語を勉強し直そうかな。

☆以下は機能ごとの紹介と感想です。
 あくまでアーリーアクセス版についてであるため、製品版では不満点が解消されたり、操作性がガラリと変わったりする可能性があります。とりあえずの雰囲気を知りたい人向けの情報です。

■作れるゲーム

  • 2D/3D問わずほとんどのジャンルが作れる。RPGはかなり困難だが不可能ではない。
  • マルチプレイヤーゲームも作れる。(遊ぶときはローカル環境か、PS4のシェア機能を使う)
  • 簡単に作れるのはジャンプアクションゲーム。カメラ位置は自由にコントロールできるので、TPSでもFPSでも可。
  • 歩行やジャンプができるマネキン人形(パペット)が用意されている。パペットを飾りつければ自分だけのキャラクターを作れる。特殊な行動アニメーションも自分で作り込める。剣を持たせてぶん回したり、ダンスしたり。
  • タイトル画面、ステージ1、ステージ2、ムービー画面……これら一つ一つを「シーン」として扱う。シーンを複数つなげて一つのゲーム作品とする。もちろんゲームシーン1個だけでもOK。
  • データベース機能がないため、「全シーンで使う共通の変数」を一箇所で管理できない。各シーンで同じ名前の変数を用意していく必要がある。なので、RPGなど大量のシーンが必要なゲーム制作は大変。

■制作画面の操作について

  • ワークスペースはXYZ軸を持つ3D空間。(UnityやBlenderのイメージ)
  • マウスポインタの代わりになるキャラクター(インプ/チップ)を、パッドの傾きで操作する。スナイパーのようにピンポイントで操作する場面もあって、肩がこる。
  • 自分の体が知らないうちに横を向けば、ポインタも画面の端にいってしまう。スタートボタン長押しでポインタを中央に戻せるが、ひんぱんにある操作なので長押しはストレス。
  • 画面外にオブジェクトがある場合など、視界を動かすなら左右スティック。
  • 真正面/真横/真上の固定視点が「ない」ため、オブジェクトを動かすと意図せず軸がズレてしまう。そのための「グリッド吸着モード」「直立モード」などが用意されているが、メニューを開いていちいち切り替えるのが大変。
  • フィードバックを見る限り、マウス&キーボードによる操作を求める声はかなり多い。もし実現すればモード切り替えをショートカットキーに割り振れるだろうし、作業がかなり効率化する。
  • ゲームテキスト以外にも、文字を打ち込む場面が多い。入力用にUSBキーボードがあると楽だ。
緑のマリモみたいなのがインプ(チップ)。色も見た目も自分好みのを選べる。

■プログラム部分

  • カウンター、タイマー、体力、テキスト表示、変数……といった部品(ガジェット)をゲーム画面に配置していく。
  • 部品は50種類以上あり初見ではウヘッとなるが、似たような使い方の部品が多いので、最初の印象よりはずっと簡単に作業できる。
  • 部品同士をワイヤーでつなぎ合わせることで連携させる。
  • ワイヤーの接続点は、部品ごとに複数ある。たとえば体力部品は「現在体力」「最大体力」の他、「ゼロになった時」という接続点もある。これと音楽部品のスタートをつなげれば、死亡時に音を鳴らせるようになる。
  • ゲーム内で部品の実践例を表示できるので、まず一通り試してみるのが出発点。なおこの実践例の文章は、ホームページhttps://indreams.me/にそのまま掲載されている。
  • 目的の実現方法がたくさんある。部品をつなげていく作業自体がパズルゲームをしている感覚だ。できあがりを想像して部品を組み立てて、想像通りに動くかテストする流れは、プログラミングをしている感覚と変わらない。
  • 部品が画面中に散らばりがち。手直しのために画面を移動して回るのは効率が悪い。いかに整理整頓できるかもスキルの一つになる。
  • 部品を使う際、動作の目印となる「名前」を付ける場面がある。この名前は英語で入力する必要がある。
ガジェットは大量に見えるが、やってみると意外とついていける
ガジェット同士をワイヤでつなげて機能を作る。
筆者はさぼっているが、ワイヤーを(ある程度)キレイにならべることもできる。

■アニメーション

  • ゲームオブジェクト(床とか橋とか)やキャラクターのアニメーションを作れる。
  • なお、単純なピストン運動や回転運動であれば、プログラム部品(ガジェット)を使うことでも実現できる。

①レコードモード:自分でオブジェクトを動かして録画する。その通りに再生される。
②変更点モード:変更後の状態を設定する。位置だけでなくサイズや色などすべての情報が使われる。初期状態から変更後に向けて再生される。
③タイムラインモード:①や②をタイムライン上に並べる。ループもできる。

■スカルプトモード(3Dモデリング)

  • 球形や四角形など、基本形状を組み合わせてオブジェクトを制作できる。マップに配置する木や建物はもちろん、キャラクターも作れる。
  • 図形の面を選んで引き伸ばせる。
  • 図形の面ではなく、一部分だけを盛り上がらせたい場合、今あるオブジェクトに別オブジェクトをドッキングする。ドッキング時の融合加減を調整すれば、ゆるやかでいびつな形も作れる。
  • 別のオブジェクトの形状を使って「削る」こともできる。たとえば地面に対して上から球形を押しつければクレーターを表現できる。
     縮小したオブジェクトでスルスルと削りとれば、これはもう彫刻刀と同じことだ。人体、クリーチャーなどのリアルな造形にも挑戦できる。
  • このモードだけはMoveコンの方が効率がいい。ただ優位性は効率面だけ。パッドだと作れない、というものではない。
「なんだこれ?」と言うなかれ。どこからどう見てもシルクハットである。
キューブをくっつけてみた図。「融合加減」をいじることで、ぐにゃっとなる。

■コートモード/エフェクトモード/スタイルモード

  • オブジェクトの色や質感、簡易アニメーションを適用できる。
  • 丸いだけのオブジェクトを「ぼさぼさ」に変形したり、四角い床のオブジェクトを水面みたいに「ユラユラ」させたり。
もとは球形・楕円形をつなげただけのオブジェクト。「ぼさぼさ」にできる。

■ペイントモード

  • 画面にそのまま絵を描ける。
  • 筆に厚み(奥行き)を持たせることも可能。「描いた絵の周りをぐるっと360度鑑賞する」という不思議な経験もできる。
  • 描いた絵はゲームオブジェクトになる。複製やアニメーションを適用できる。
     チュートリアル例:雨のラインを一本描いたら、それを自動複製して画面内に降らせる
  • パッドで絵を描く際はやはり「傾き操作」となる。さすがに理想の絵は描けないだろう。
     もしMoveコンが手元にあるなら、新鮮で楽しい芸術体験ができたり、絵心のなさに打ちひしがれたりできるだろう。

■サウンドモード

  • 音楽を制作できる。
  • ACIDのようにループ音源を並べて音楽を作れる。
  • ピアノロールによる打ち込み作曲も可能。
  • ギターやピアノといった楽器音源を選択したら、コントローラのボタンを押して「リアルタイム演奏」できる。この演奏を録音して曲に使うこともできる。(この演奏をピアノロールで修正できる)
  • マイク取り込みした声、楽器の音を使える。
見慣れた光景。音楽素材を並べていく。
リアルタイム演奏を録音して、曲に使うこともできる。使える音階セット(マイナー・ペンタなど)も数種類から選べる。筆者もやってみたが、センスがないのでサッパリだった。

■その他

  • マイホーム(箱庭)をひとつ持てる。好きなオブジェクトを置いて飾りつけできる。他のユーザのマイホームも覗ける。
  • ゲーム内で「ユーザーレベル」が設定されている。クリエイト作業でもゲームプレイでも、何かやっているとレベルアップする。
     またどのモードの作業が多いか判定されて、「あんたこの作業好きだね」とレポートしてくれる。

■おわりに

 筆者は習作として追われゲーを作ってみた。つまずく部分もあったが、なんとか完成できた。その気になればできないことはないという印象だ。その気になれば……。

 製品版で制作画面の操作性がどこまで洗練されるか注目だが、もし今のまましんどい部分が残ったとしても、それ以上に楽しくゲームを作れるツールだと言えるだろう。
 ゲームにはたくさんの要素が必要だ。音楽もキャラクターもインテリアも、様々な分野のクリエイターに、まずはさわって楽しんでみてほしい。

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