SEKIRO SHADOWS DIE TWICE

レビュー

興奮度最高の忍者アクションRPG。無情な難易度がもたらす絶望と感動。アクション好きなら絶対満足の傑作。

トロフィーコンプまで遊んでのレビュー。
1周目について攻略情報は一切見なかったので、ゲームクリアの喜びはひとしお。
気になっている人は情報をシャットアウトして、自力クリアを目指してほしい。
筆者はアクションゲームが苦手だ。それでもクリアできる。これぞ「フロム・ソフトウェア」というべき、絶妙な難易度設計だ。

公式:https://www.sekiro.jp/

■ストーリー

 時は戦国。大きな一つの戦が終わろうとしていた。
 戦を制したのは剣聖、葦名一心(あしな いっしん)。葦名の国の始まりだ。
 死体の山が続く戦地には一人の少年が佇んでいた。その様はまるで飢えた狼だった。少年を見出した葦名の大忍び・梟(フクロウ)は彼――「狼」を養子に迎えた。
 その後二十年余りが経った。
 狼は忍びとして鍛え上げられ、葦名一心と「御子」である九郎への忠誠を誓ったのだった。
 誰もが葦名の栄華を信じて疑わなかっただろう。

 狼の視界はうつろだった――どれだけの時間が流れたのか。葦名の国は斜陽を迎えようとしていた。
 狼は深手を追い、地下牢にいた。彼は主も義父も、すべてを失おうとしていた。半死の彼の瞳に映ったのは、舞い落ちた一葉の文だった。
 文が示すのは、囚われの九郎の居場所。狼を立ち上がらせるには十分だった。

■どんなゲーム?

・アクションRPG
 主人公は忍者。回避や攻撃を駆使して敵を倒す。
 特徴的な行動は鉤縄(フックロープ)。屋根の上や枝の上、果ては巨大ボス目がけて素早く移動できる。
 マップ探索も欠かせない。攻略に役立つアイテムが隠されているかもしれない。

・「忍者ゲー」の先入観は捨てよう
 ステルス要素があり、敵の背後や頭上からこっそり近付き必殺攻撃ができる。といってもステルスゲーではない。
 筆者は『天誅』が苦手だった。『メタルギアソリッド 』も「スネークイーター」から難しくて途中で投げている。天性の潜入ベタなのだ。しかしほっとした。SEKIROはそういうゲームではない。
 積極的に戦闘を楽しめるゲームだ。敵を倒せばスキル経験値とお金が手に入るから、倒したいなら倒すのが正解だ。
 もちろんストーリーを先に進めたいなら、敵はガンガン素通りできる。忍者の動きについてこられるザコ敵はそうそういないのだ。

・武器、防具、特殊武器
 武器は固定で防具は無い。この時点でダークソウルシリーズのファンにはもの足りなく感じるかもしれない。
 その代わりに特殊武器「忍具」がある。手裏剣や斧、敵の攻撃を防ぐ傘など、バラエティに富んでいる。これらはマップを探索しないと見付からないものが多い。また強化素材とお金を使用して派生バージョンを作れるようになっており、やり込み要素にもなっている。
 ただし、忍具を使う際には弾を消費するので、乱発はできない。

・レベルアップ要素
 経験値を使ってスキルを取得できる。特殊な攻撃技を使えるようになったり、回復薬の効果がアップしたりする。攻略に有効なスキルが多数ある。
 一方、肝心の体力と攻撃力は、特殊アイテムによってしかレベルアップできない。特殊アイテムの主な入手先はというと、なんとボスだ。つまりは「ボスを倒さないと体力も攻撃力も上がらない」ということだ。スキルをゲットしたところで、最終的には「腕一本」で強敵を倒すしかない。これこそがSEKIRO最大の特徴だろう。

・救済措置?
 難しいと評判のこのゲーム。それを象徴するような救済措置がシステム側に用意されている。
 どんな救済措置かといえば、主人公は死んでしまっても、「1回その場で蘇る」ことができるというものだ。その場でコンティニューできる……マリオだってチェックポイントからなのに、なんとその場で。
 おおフロム・ソフトウェアよ! なんて優しい――いや、だまされないでほしい。つまりはこのゲーム、「1回は死ぬでしょ」という難易度で作られているわけだ。

・戦闘システム
 敵の攻撃は回避不能だったり、ガード不能だったりする。言いかえればガードすべき攻撃、回避すべき攻撃に分類できる。プレイヤー側はこれらの猛攻に対して「正しいリアクション」をとらなくてはならない。
 回避ステップだけでは、ガードだけでは敵の攻撃は防ぎきれないのだ。
 ジャストガードによる「弾き」、足元を狙った攻撃であればジャンプ、時にはダッシュで距離をとることも必要になる。特定の「忍具」を使うと対処が簡単になるRPGらしい一面もある。
 強敵の動きを一つ一つ覚えて対応していくと、勝利が近付いてくるのが実感できる。苦しんで苦しんでやっと撃破できた時の感動はどのゲームよりも大きかった。
 HPダメージ以外に「体幹ダメージ」が用意されたことも大きい。こちらの攻撃をガードさせる、敵の攻撃を「弾く」などすると体幹ダメージを与えられる。体幹ダメージが許容量を超えた敵にはそのまま「トドメ」を刺せる。
 接近戦を仕掛け続けることで、短期決戦に持ち込めるようになったということだ。ダークソウルシリーズに「チクチク」「ちまちま」といった印象を持っている人は、新しい世界を見られるだろう。

■ここが良かった

・ゲームの攻略方法が明確
 予想していた通り、確かに難しい。だけど、「何をすればいいの?」という疑問は一切ない。
 最初に少し触れたが、筆者はスニークゲーが苦手だ。「隠れて進めばいい」というのは分かるが、「どう隠れれば?」というところまでは頭がまわらない。
 しかしSEKIROの難しさは強敵と向き合った瞬間にある。「この攻撃は回避しなきゃ、弾かなきゃ、ジャンプしなきゃ」……やるべきことは分かりきっている。
 ゲームの攻略法は示されているのだ。ボスの倒し方は分かっている。ただ簡単には実行できない。何度も挑戦して「がんばる」しかない。
 がんばった先の感動は、他のどのゲームにも作り出せないものだろう。

・ダイナミックなキャラクター操作
 ジャンプ+鉤縄(フックロープ)を使った移動が心地好い。
 飛べる先は決められているものの、今までにない範囲で移動できるから、とにかくマップが広く感じる。
 広いだけではなく、行きたい場所へ移動する行程がスムーズだ。ダッシュは素早く、ジャンプしてさらに鉤縄で遠く高く。
 極めつけは「泳げる」ということ。さすが忍者だ。

・ストーリーが分かりやすい
 主人公は、九郎を助けるためにそこへ向かう。
 ダークソウルやブラッドボーンに比べればとても分かりやすい導入だ。
 そこから先の展開も分かりやすい。こういう問題がある、解決するために「お前はこれを調べろ、ここへ行け」という感じだ。
 目的(行き先)が明確なのはすごくいいと思う。

・マップ攻略が楽しい
 ボス戦が注目されがちだが、そこに至るまでの道中も楽しい。敵の配置が考えられているし、巨大なギミックが用意されている場面もあった。
 突破する上で特定の忍具が有効な場面もあったが、筆者は大体、刀でゴリ押しした。遊び方の自由度も高いということだ。

・メニューを開くとポーズがかかる
 地味だがありがたい。回復アイテムを落ち着いて選べる。くしゃみしたい時、くしゃみじゃなくゲームを止められるようになった。

■不満点

・忍具の弾数
 忍具を使うには弾がいる。
 弾は無数に拾えるものの倉庫行きで、一度に持ち運べる最大数は少ない。つまり忍具の乱発はできない。その結果、筆者は出し惜しみし続けてクリアしてしまった。本当に有効だと分かりきっている時しか使わなかった。
 しかしながら「ご自由にお使いください」とすることもできないだろう。
 手裏剣を無制限に使えたら難易度が格段に下がってしまう。
 仕方がないともいえる。
 これからやる人は、使いたい忍具は道中でガンガン使っていいと思う。弾を使うと敵が弾をドロップしやすくなる傾向があるし、もしボス戦で弾切れしてしまっても、ボスは刀一本で攻略できるようになっている。
 ……が、「このボスにはこの忍具を!」といった攻略動画もでてきているようだ。やはり悩みどころだ。

・やり込み要素が弱め
 マルチエンディングで、ルートは4つ。データバックアップを使うとある程度簡単に見られる。
 忍具の強化素材は2周でコンプリートできる。残るはスキル集めとなるが、必要なのは大量の経験値であり、これは稼ぎ場所で延々と作業を繰り返すか、周回でボスを倒して稼ぐことになるだろう。
 ダークソウルシリーズでは脳筋キャラ・技術キャラを作って新鮮に遊び直せたが、今回はできない。忍具やスキルを縛るだとか、積極的に楽しむ姿勢が必要になるだろう。
 2周目以降、ボスとの再戦は、やはり楽しさが格段に落ちる。火力と体力が若干増えているが、1周目で見出した攻略方法がそのまま通じるので、あまり苦労しない。
 言ってしまえば、遊べる時間が短いかもしれない。1周で終わりにするなら、このゲームのプレイ時間はボスにどれだけ時間がかかるかによる。上手い人なら40時間弱という場合もあるだろう。「1体のボスに10時間かかった」という人もいるから、なんともいえないが。
 しかしこれだけは述べておきたい。
 ゲーム中の興奮とクリア時の感動は、プレイ時間に左右されるものではない。

・ボス戦に抜け道がある
 白熱のボス戦が特徴の今作だが、一部のボスはこちらの行動に対するリアクションがほぼワンパターンであり、ごく簡単な操作を反復すると倒せてしまう。
 また一方向に歩いているだけでかわせる攻撃がある。ブラッドボーンなどではおなじみの攻略手段ではあるが、敵のモーションからは「タイミングを見極めて回避行動をとってほしい」という意図が感じられる。敵の周りをくるくる歩くのは見映えも良くないし、そういう抜け道はつぶしてほしかったと思う。
 ま、プレイヤーがかっこ悪いプレイをしないように注意すればいいだけではある。

・荒ぶるカメラとロックオン解除
 狭い場所や壁際ではカメラが役に立たなくなる。「見て対処する」要素が強い本作ではかなり大きなストレスだ。位置取りも攻略の一つということだろう。
 また前ステップするなどで、敵が背面に動いた場合、ロックオンが解除されるケースがあった。振り向いてロックオンし直す間に攻撃されると、非常に切ない。
 敵を正面に捉えるためのロックオンなのだから、なんとかしてほしかった。
 なお一部ボスは、強制的にロックオン解除させる行動をとってくる。これは面白いと思った。「ロックオンできないのはピンチだ」という認識が、ゲーム側にもあるということだ。
 なおさら、それ以外の場面ではロックオンは外れないでほしいと思う。

■まとめ

 不満点はささいなことで、ゲームの本分にはまったく関係がない。SEKIROが売りにしているアクションゲームとしてのポイントはすべて文句なしだ。
 とにかく楽しく、とにかく難しく、とにかく突破できた時の喜びは最高だ。
 尻込みしている人ほどプレイしてほしい。合わないなら合わないで、「フロム・ソフトウェアには気を付けよう 」という、人生の学びになるはずだ。

■その他

 各ボスを初めて突破した時の動画をYouTubeにアップしました。
  →プレイリスト

 攻略動画ではなく記念動画ですので、お間違えなきようお願いします。
 もともと動画をアップするつもりはなかったのですが、とある中ボス突破がうれしくて動画にし、その後は思い立ったように、録るようにして進めました。いないボスは録り忘れです。

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