プラグインを公開する時は利用規約(ライセンス)を意識しましょう。
ホームページ等で公開する場合、そのサイト内に利用規約として記載するのはもちろん、プラグインファイル自体にも利用規約を含めましょう。
自分で利用規約を定めてもいいですが、お決まりのライセンス形式もあります。
MITライセンス
ツクールプラグインでよく使われるライセンスです。注目点は次の2つだと思います。
- 問題が起きても作者は責任を負わない
- 改変自由・再配布自由
ということで自由度が高いです。MITライセンスの全文はとあるURLに掲載されているため、プラグインのヘルプに「MITライセンスです」と書き、そのリンクを載せるだけで十分です。
私も最初の頃は何も考えずに使っていましたが、最近は別の形を指定しています。
検討点:再配布自由
あなたのプラグインについて、知らないサイトが、「私のサイトに保存してますので、ここからダウンロードしてください」という手法を取ることができます。ライセンス的には何も問題はありませんが、心の準備ができていないと気持ちの悪いものです。
プラグインはあなたの手を離れ、管理できなくなります。まずいコーディングが判明し、手元のプラグインを修正しても、まずい内容のものが出回り続けることになります。「責任は負わない」のですから作者が困ることはありませんが、「嫌だな、消したいな」と思っても、一生消えることはありません。
それでいいか、よく考えましょう。
検討点:改変自由
これは利点でもあります。「気に食わない部分は自分で改造してね」という断りであり、いちいち「改造してもいいですか」という質問を受け付けなくて済みます。
しかし、中には改造ついでに作者名やプラグイン名まで変え、元の著作権者が不明になることがあります。このような改造はMITでもアウトなのですが、「MITだから何をしてもいい」と勘違いをされる可能性があります。
MITライセンスまとめ
特に「再配布自由」の部分について、そういうものだと認識した上でMITライセンスを適用する必要があります。単なる便利なプログラムであれば、そうあるべきです。たくさんの人に使ってもらうため、拡散できる形式が求められます。
しかし、「ツクールプラグインはただのプログラムではなく、作者が一生懸命作った作品だ」という感覚があるなら、MITの使用にはブレーキをかけ、自分で利用規約を設けたほうがよいでしょう。
利用規約に含める内容
利用規約(=ライセンス)を自分で記載する場合、内容をよく考えましょう。自分が困らないことと、使う相手が困らないことを念頭に置きましょう。
私が最近使っている利用規約は次のような内容です。(私のプラグインは最近だとBOOTHで販売するかココナラで依頼を受けて作るかです)
- プラグイン作者(著作権者)情報を記しつつ
- 本プラグインは、依頼者(購入者)のみ、改造し、また自身のゲームに組み込んで使用できる。
- プラグイン単体での公開・共有・再配布等はできない。
- このライセンス内容は変更・削除できない。
- 別途重要な箇所に著作権者の表示をする必要はない
- 損害が発生しても作者は責任を負わない(MITの文言)
という感じです。
「このライセンス内容は変更・削除できない」という項目がないと、「『改造できる』ならこのライセンスも変えられるよね」という解釈ができてしまいます。
また、MITライセンスでは「全てのコピーまたは重要な箇所にライセンス等の表示をする」ことになっています。「全てのコピー」ですから、「プラグイン内部に書かれてあれば大丈夫」と考えられますが、「スタッフロールやドキュメントに記載しなきゃ駄目なのかな」と迷う利用者もいるでしょう。曖昧なところなので、この点を「要らない」と明示しています。
やはり重要なのは、「プラグイン単体での再配布等を禁止」しているところです。ここだけ押さえたい方も多いかもしれません。
一度自分なりの利用規約を考えてみましょう。